
はじめまして
つむぎのわ ひろみです。
幼い頃、祖父母の膝の上で読んでもらった絵本の時間が、今も私の心の奥でやわらかく息づいています。
絵本が私にくれた「安心」の記憶
幼稚園に通っていた頃、毎朝大泣きして祖父の服をつかんでいた私に、園長先生がそっと絵本を読んでくださいました。
その時間は、「受けとめてもらえる安心」が胸にしみ込んでいくような、特別なひとときでした。
保育の現場で気づいた “心に寄り添う絵本の力”
短大を卒業して保育士になったとき、私は毎日のように絵本を手に、子どもたちの前に座っていました。
ページを開くと、泣いていた子が涙を拭き、不安そうだった子の表情がゆるみ、静かにお話を聞き始める。そんな瞬間が何度もありました。
言葉にまだできない子どもたちが、絵本の絵や音のリズムに反応して体を揺らしたり、登場人物の気持ちを、まるで自分のことのように語る姿を見るたびに、「絵本は、子どもの心をそっと支えてくれるものなんだ」と強く感じました。
子どもたちの育ちのそばにはいつも絵本があり、絵本を通してその子の世界に寄り添うこと。それが、私が保育の仕事を深く愛してきた理由です。
絵本が希望の灯りになった日 — 阪神淡路大震災
震災後、NPOの活動に携わる中で、地域の方々と読み聞かせグループを立ち上げました。
辛い出来事のあと、みんなで絵本を読み合う時間が、どれほど心をあたためるかを知りました。
絵本は、人の心に「希望の灯り」をともす力があると実感した瞬間でした。
小学校司書としての日々 — 本と人がつながる場所づくり
子どもも大人も居心地よく過ごせる図書室づくりを目指しました。
子どもたちや、保護者の方、学校職員の方、読書ボランティアの方、図書館の方との出会いによって、ますます絵本の魅力を感じました。
本を通して人と人がつながる尊さを教えてくれた、大切な時間でした。
子育ての日々で気づいた “絵本の深さ”
自分の子を育てるようになってから、絵本は心の温度をそっと整える時間 だとあらためて感じました。
眠る前、「もういっかい読んで」と本を抱えてきた小さな手。
うれしい日も、くやしい日も、絵本をひらくと心がすこし落ち着いて、言葉にできなかった気持ちがゆっくりほどけていく。そんな瞬間に何度も出会いました。
子どもと一緒にページをめくりながら、「絵本は、生き方そのものを支えてくれるもの」という思いが、私の中でより深く育っていきました。
絵本を届けたい人がいます
実は、私がこの活動を始めた一番の理由は、
高齢者の方に絵本を届けたい という願いでした。
ひとりで暮らす方
施設で暮らしている方
家族と離れて生活している方
そんな方々の寂しさの中に、一冊の絵本がそっと寄り添えるのではないかと、ずっと思ってきました。
絵本は、記憶をゆっくり呼び起こし 心の風景につながる時間をそっと照らしてくれます。
だからこそ、私は絵本を届け続けたい。
心にふれる一冊を手渡す時間を、ずっと大切にしていきたいと思っています。
えほん つむぎのわのこれから
このブログは、子どもだけでなく、大人や高齢の方にも“優しい絵本”を届ける場所 にしていきたいと考えています。
ゆくゆくは、絵本を持って訪問したり、疲れた人の時間がそっと溶けるような読み合いの会を開いたり、小さな絵本専門店をひらくことを目指しています。
ページをひらくと心がやわらかくなるような、あなたの日常に寄り添う一冊を届けられますように。