絵本は、作家さん、画家さん、訳者さんとそれを読む人、贈り物として贈る人と受け取る人など、その絵本を手に取るみんなの心をそっとつなげてくれます。
このブログでは4つの情景に立ち、それぞれの風景にいる人の想いに寄り添う絵本を紹介しています。
「あの人に贈りたい」「子どもと読みたい」「自分を励ましてくれる絵本に出会いたい」「わたしのお店をもっとすてきに飾りたい」・・・。
どんな想いにも寄り添ってくれる1冊があります。
高齢者への贈り物絵本
絵本は、人生のどの時にも寄り添ってくれる贈り物です。
もちろん高齢の方々にも。
わたしのまわりにも、その世代の方々がたくさんおられます。
お元気な方もいれば、そうでない方もおられます。
つい先日まで笑い合ってお話していた方が突然病に倒れたり、入院やご家族のもとへの転居などで、なかなか会えなくなったりすることもあります。
独り暮らしの方や施設で過ごされている方の中には、さみしさを抱えている方も少なくありません。
健康であるかどうかにかかわらず、その誰もが人生のフィナーレを意識しながら過ごしておられます。
そんな方々に、少しでも元気をと平安が与えられますようにと願っています。
祈りのように、やさしい言葉や絵の力を届けたい。
その想いから、「高齢者への贈り物絵本」のカテゴリーをつくりました。
この場所では、懐かしい記憶を呼び起こす絵本、穏やかな時間をともに過ごせる絵本を紹介しています。
あなたの「想い」が、誰かの心に届くきっかけになりますように。


子どもと読み合う絵本
一番上の子が生まれたとき、わたしは「いいお母さんにならなければ」と思っていました。
自宅近くの幼稚園で勤めていたこともあり、近所には保護者の方も多く、義理の両親も道路を挟んで向かい側に住んでいて、いつも人の目を気にしていました。
そんな中、息子はよく泣きました。抱っこをしていないと眠らず、布団に下ろすとまた泣く。
疲れていても、「近所にどう思われるだろう」と気になって仕方がありませんでした。
当時は、携帯で検索することもできず、育児書やテレビの情報を頼りにあらゆる方法を試してみましたが、うまくいきませんでした。
それでも、義母がおんぶしてくれると、息子は不思議と静かに眠るのです。まるで、背中に“安心”の魔法がかかっているようでした。
その時、わたしは「泣き止ませたい」という気持ちばかりでいっぱいだったことに気づきました。
息子が「どうしてほしい」と感じているのかを考える余裕がなかったのだと思います。
すべてが初めてのことで、仕方のないことだったのかもしれません。
それでも、毎日欠かさず絵本を読みました。
絵本を見ている時の息子は穏やかで、私の心も静まっていきました。
絵本は、息子だけでなく、わたしも癒してくれていました。
絵本は、言葉を超えて親子の心をつなぐ、やさしい橋のような存在でした。
その後、娘が二人うまれ、絵本の時間は、いつのまにか家族みんなが心を寄せ合う大切な時間になっていきました。
同じ絵本を読んでも、子どもによって感じ方が違うこと、ページをめくるたびに成長を感じられること。
絵本は、親であるわたしの心を整え、子どもたちと向き合う時間を育ててくれました。
このページでは、子どもと笑い合い、感じ合い、心を寄せ合う時間をくれる絵本を紹介しています。
絵本を通して過ごすひとときが、親子の心をそっと包み、あたたかな記憶として残っていきますように。


思春期~大人のあなたへ
思春期の頃、わたしは家族の介護の中で過ごしていました。
祖母が失明し、祖父が認知症になり、母も倒れてしまったのです。
学校では明るく振る舞っていましたが、心の奥にはいつも痛みと不安がありました。
そのような毎日であっても、わたしは笑顔でいるように努めていました。
その笑顔を褒めるように、担任の先生はわたしに「お前は悩みがなくて羨ましい」と言いました。
その言葉がなぜか嬉しくて、わたしは“笑顔でいること”を自分の役割のように感じていました。
それから、担任から友人たちのサポートを任されるようになりました。困難を抱える友人と一緒に登校したり、授業を飛び出したら追いかけたりする日々が始まりました。
その時間だけは、家の悲しみを忘れられたように思います。
今振り返ると、わたしはその友人たちに逆に支えられていたのかもしれません。
そしてもう一つ、思春期の私を支えてくれたのが、幼い頃の絵本体験でした。
絵本はいつもそばにあり、読むたびに心があたためられ、静かな安心を与えてくれました。
痛みと不安の中にあっても笑顔で過ごすことができたのは、絵本を通じてたくさんの世界とつながっていたからのように思います。
あの頃のページの中のやさしい言葉や色彩が、今も私の中で生き続けています。
絵本はそのように人の心に寄り添い、静かに生きる力を灯してくれる存在です。
思春期のあなたにも、大人になったあなたにも、絵本が少しでも穏やかな時間を届けてくれますように。


世界観で選ぶ絵本
最近では、ファンシーショップ(かわいい文房具や雑貨を扱うお店)やセレクトショップ(一つのテーマに沿っていろいろなブランドの服や装飾品を扱うお店)など、小さな贅沢を楽しむお店で絵本が飾られているのをよく見かけるようになりました。
絵本がそっと置かれているだけで、お店全体がやさしく包まれるように感じます。
ファンシーショップでは、人気キャラクターの文具のそばにその絵本が置かれていたり、セレクトショップではクリスマス雑貨の横にクリスマスの絵本が並んでいたりします。
絵本が置かれているだけで、やさしい雰囲気を感じます。
「絵本って、飾るだけでこんなにも空気を変えるんだ」と思う瞬間が増えました。
ファンシーショップやセレクトショップに限らず、どんな業種であっても、不思議と”絵本の世界とのつながり”をイメージすることができます。
その体験がとても楽しくて、「お店の世界観の展開に絵本を使う」というアイデアが浮かびました。
このアイディアをもっと広めたいと願って、このカテゴリーをつくりました。
あなたのお店にも、そっと絵本を飾ってみませんか。
ページを開かなくても、絵本はそこにあるだけで、心に小さなあかりを灯してくれます。
そんな優しい世界を、一緒につくっていけたら嬉しいです。
あるいは、お店を始める前のコンセプト作りに、絵本の世界を用いるのもいいですね。
昔話も未来の世界も、おとぎの国でも宇宙でも、絵本はあなたの世界観を自由に大きく広げてくれるでしょう。

