絵本は、読む人・贈る人・受け取る人の心を、そっとつなげてくれます。
ここでは、4つの想いに分けて絵本をご紹介しています。
「誰かに贈りたい」「子どもと読みたい」「自分を励ましてくれる絵本に出会いたい」
「セレクトショップをもっと素敵にしたい」どんな想いにも寄り添う1冊があります。
高齢者への贈り物絵本
絵本は、人生のどの時にも寄り添ってくれる贈り物です。
私のまわりには、高齢の方々が多くいます。
会話の途中で笑い合った方が突然病に倒れたり、もう会えなくなったりすることもあります。
独り暮らしの方や、施設で穏やかに過ごされる方の中には、面会が限られ、さみしさを抱えている方も少なくありません。
そんな方々に、少しでも元気をと平安が与えられますようにと願っています。
祈りのように、やさしい言葉や絵の力を届けたい。
その想いから、「高齢者への贈り物絵本」のカテゴリーをつくりました。
この場所では、懐かしい記憶を呼び起こす絵本、穏やかな時間をともに過ごせる絵本を紹介しています。
あなたの「想い」が、誰かの心に届くきっかけになりますように。



子どもと読み合う絵本
一番上の子が生まれたとき、私は「いいお母さんにならなければ」と思っていました。
自宅近くの幼稚園で勤めていたこともあり、近所には保護者の方も多く、義理の両親も斜め向かいに住んでいて、いつも人の目を気にしていました。
そんな中、息子はよく泣きました。抱っこをしていないと眠らず、布団に下ろすとまた泣く。
疲れていても、「近所にどう思われるだろう」と気になって仕方がありませんでした。
当時は、携帯で検索することもできず、育児書やテレビの情報を頼りにあらゆる方法を試してみましたが、うまくいきませんでした。
それでも、義母がおんぶしてくれると、息子は不思議と静かに眠るのです。まるで、背中に“安心”の魔法がかかっているようでした。
その時、私は「泣き止ませたい」という気持ちばかりでいっぱいだったことに気づきました。
息子が「どうしてほしい」と感じているのかを考える余裕がなかったのだと思います。
すべてが初めてのことで、仕方のないことだったのかもしれません。
それでも、毎日欠かさず絵本を読みました。
絵本を見ている時の息子は穏やかで、私の心も静まっていきました。
もしかしたら、癒されていたのは私の方だったのかもしれません。
絵本は、言葉を超えて親子の心をつなぐ、やさしい橋のような存在でした。
その後、娘が二人うまれ、にぎやかな毎日がはじまりました。
絵本の時間は、いつのまにか家族みんなが心を寄せ合う大切な時間になっていきました。
同じ絵本を読んでも、子どもによって感じ方が違うこと、ページをめくるたびに成長を感じられること。
絵本は、親である私の心を整え、子どもたちと向き合う時間を育ててくれました。
このページでは、子どもと笑い合い、感じ合い、心を寄せ合う時間をくれる絵本を紹介しています。
絵本を通して過ごすひとときが、親子の心をそっと包み、あたたかな記憶として残っていきますように。



思春期~大人のあなたへ
思春期の頃、私は家族の介護の中で過ごしていました。
祖母が失明し、祖父が認知症になり、母も倒れてしまったのです。
学校では明るく振る舞っていましたが、心の奥にはいつも痛みがありました。
そんな私に担任は、「お前は悩みがなくて羨ましい」と言いました。
その言葉がなぜか嬉しくて、私は“笑顔でいること”を自分の役割のように感じていました。
その後、担任から友人たちのサポートを任されました。一緒に登校したり、授業を飛び出したら追いかけたりする日々が始まりました。
その時間だけは、家の悲しみを忘れられたように思います。
今振り返ると、私を支えてくれていたのは、その友人たちだったのかもしれません。
そしてもう一つ、思春期の私を支えてくれたのが、幼い頃の絵本体験でした。
絵本はいつもそばにあり、読むたびに心があたためられ、静かな安心を与えてくれました。
あの頃のページの中のやさしい言葉や色彩が、今も私の中で生き続けています。
絵本もまた、そんなふうに人の心に寄り添い、静かに生きる力を灯してくれる存在です。
思春期のあなたにも、大人になったあなたにも、絵本が少しでも穏やかな時間を届けてくれますように。



世界観で選ぶ絵本
最近では、文房具屋さんやセレクトショップなど、暮らしの小さな楽しみを扱うお店で絵本が飾られているのをよく見かけます。
絵本がそっと置かれているだけで、お店全体がやさしく包まれるように感じます。
文房具コーナーでは、人気キャラクターの文具のそばに、その世界観とつながる絵本が置かれていたり、セレクトショップではクリスマス雑貨の横にクリスマスの絵本が並んでいたりします。
「絵本って、飾るだけでこんなにも空気を変えるんだ」と思う瞬間が増えました。
そんな風に感じるようになったのは、職業訓練でSNSマーケティングを学び、さまざまなお店の魅せ方を考える機会があったからだと思います。
どんな業種を考えていても、不思議と“絵本のイメージ”が浮かんでくるのです。
その体験がとても楽しくて、「お店の世界観づくりに絵本を使う」というアイデアをもっと広めたいと思い、このカテゴリーをつくりました。
あなたのお店やスペースにも、そっと絵本を飾ってみませんか。
ページを開かなくても、絵本はそこにあるだけで、心に小さなあかりを灯してくれます。
そんな優しい世界観を、一緒につくっていけたら嬉しいです。


