あまりにも見覚えのある姿に、思わず笑ってしまった
絵本に出てくる女の子の行動は、あの頃よく目にしていた動きばかりです。
「どうして今それを?」と感じた瞬間や、こちらの予想を軽々と越えてくる展開に、ページをめくりながら、思わず笑ってしまいました。
大変だったはずの毎日なのに、絵本の中であらためて見ると、こんなふうに映るんだなと思います。
笑えるのに、どこか胸に引っかかる
向き合う時間が濃かったからこそ、絵本の中の出来事が、当時の自分の毎日と重なって見えました。
可笑しい場面のはずなのに、ふと気持ちが止まる瞬間があったことも思い出します。
笑いと一緒に浮かんでくる、その感触も、確かにあの時の自分のものでした。
あの頃の自分に、そっと差し出したくなった
読み進めるうちに、この絵本を「あの頃の自分」に渡してみたくなりました。
出来事は何も変わらないけれど、同じ場面が絵本の中にあるだけで、ページをめくる時間が少し違って感じられた気がします。
だから今、同じ時期の中にいる親に、この一冊を手渡したいと思っています。
絵本紹介
『いっさいはん』
さく・え:minchi(みんち)
出版社:岩崎書店
「いっさいはん」の子どもが見せる行動や反応を、場面ごとに描いた絵本です。
歩く、さわる、持つ、投げる、口に入れる。
一つひとつのページには、この時期ならではの動きが一場面ずつ描かれています。
物語として展開するのではなく、日常の中で起こる行動が、順に並んでいく構成です。
文章は短く、絵のそばに添えられ、その場面で起きていることだけが示されます。
ページをめくるごとに、「いっさいはん」の時間が積み重なっていくつくりです。
全体を通して、一日の出来事や成長の流れを追うのではなく、この時期に見られる姿を切り取るように描いた一冊になっています。
おすすめの理由
「うちの子だけじゃない」と思えたとき、気持ちが少し軽くなる
絵本に描かれているのは、いっさいはんの子どもが見せる行動の連続です。
どれも、この時期ならではの姿ばかりで、読んでいるうちに「こういうものなんだな」と受け取れるようになります。
特別なケースではなく、同じ時期に多くの子が通る姿だと感じられることが、今の毎日に、ほんの少し余裕をつくってくれます。
疲れているときでも、思わず笑ってしまう場面がある
ページをめくるだけで、思わず口元がゆるむ場面が出てきます。
気分を上げようとしなくても、「そうそう」と笑えてしまう軽さがあり、その時間自体が、自然と癒しになります。
子どもを通して、親のほうが手に取りたくなる絵本
今まさに向き合っている親にこそ届く内容です。
名前が書かれていないことで、自分の子どもと重ねやすく、きょうだいが生まれた後には、上の子と一緒に読んで笑い合うこともできます。
やさしい色づかいと、落ち着いた絵の雰囲気も、手に取る理由のひとつになります。
まとめ
ページの中に並んでいるのは、いっさいはんの子どもが、その時その時に見せる姿だけです。
名前も、背景も、物語もありません。
だからこそ、読む人の家庭や、その日の状況によって、重なり方が毎回変わります。
同じ絵を見ても、その日の気持ちによって、目に留まる場面が変わります。
その違いを、そのまま残して読み終えられる絵本です。


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