手品にひかれる気持ちから
手品にあこがれたことはありませんか。
トランプや新聞紙、コップを使って、
何度もくり返し練習していた時期を思い出す方もいるかもしれません。
不思議なことが起きる、その仕組みを知りたくて、
つい夢中になってしまう。
そんな気持ちが、この絵本の入り口にあります。
読み合いのあと、子どもたちの目が変わった
保育園で『てじな』を読んだあと、
いくつか手品を披露したことがあります。
子どもたちは驚くだけでなく、
「ここ?」「ちがう?」と、
しかけを見つけようと真剣でした。
見る側だったはずが、
いつのまにか考える側になっていて、
絵本の世界が、そのまま遊びへと続いていきました。
ことばとしかけが、手品の世界をつくる
まほうのことばに合わせて進んでいく展開や、
しかけのあるページは、
めくるたびに期待が高まります。
はっきりとした色のコントラストも相まって、
子どもたちは自然と引き込まれていきます。
読み合う時間そのものが、
小さな「てじな」になっているように感じました。
絵本紹介
『てじな』
作:土屋 富士夫
出版社:福音館書店
『てじな』は、手品師のことばに合わせて、ページをめくるたびに不思議な変化が起こる絵本です。
輪が増えたり、形が変わったり、「え?」と思う瞬間が、とてもシンプルなしかけでつくられています。
大きな仕掛けや複雑な構造ではなく、ページの穴や重なりによって、目の前で起こる変化を楽しめるのが特徴です。
くり返されるまほうのことばと、はっきりした色づかいの絵が合わさって、次はどうなるのだろう、と自然にページをめくりたくなります。
見ること、気づくこと、その変化を味わうこと自体が楽しい一冊です。
おすすめの理由
「見る」ことに、自然と集中できるから
目の前の変化にぐっと引き込まれる絵本です。
ページをめくる一瞬に起きる変化を見逃さないように、子どもたちは自然と集中して見ています。
「ちゃんと見る」という体験が、読み合う時間の中で育っていきます。
「次はどうなる?」という期待が、自然に生まれるから
まほうのことばとページをめくる動きが重なって、次の展開を待つ時間そのものが楽しくなります。
先を予想したり、身を乗り出したりと、子どもたちの関心が自然に次へ向かっていきます。
読み合いの中で、「待つ」「確かめる」という時間が心地よく流れるところも、この絵本ならではの魅力です。
くり返し読んでも、楽しみ方が変わるから
一度目は驚いて、二度目はじっくり見て、三度目は「わかったかも」と考える。
読むたびに、楽しみ方や関心の向きが変わっていくところも、この絵本の魅力です。
子どもと一緒に、何度でも読み合える一冊です。
まとめ
『てじな』は、ページをめくる一瞬の変化を、子どもと一緒に味わう絵本です。
驚いたり、考えたり、もう一度確かめたくなったり。
そのすべてが、読み合う時間の中で自然に起こります。
何かを教えるためではなく、「見る」「待つ」「気づく」時間を、同じ場で共有できるところが、
この絵本のいちばんの魅力です。


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