『まくらのせんにん そこのあなたの巻』

呼ばれたら返事をしたくなる、“巻き込まれる楽しさ”

この絵本は、読むたびに思わず声をあげて笑ってしまいます。
だって、物語の途中で「そこのあなた」と呼ばれたら、読んでいても聞いていても、なんだか本当に自分が呼ばれたような気がして、急に参加者として前に引き出されてしまうのです。

絵本の中で次々と起こるありえない出来事は、まるで舞台の上に突然立たされたような感覚で、読み手の心を一気にほぐしてくれます。
思わず「どうする?」「わ、もう始まっちゃったよ」と言いたくなるような、ゆかいな勢いに包まれます。

この“巻き込まれる感覚”は、年齢に関係なく楽しめるもの。
むしろ、大人になるほど、こんなふうに物語に参加できる瞬間が新鮮でうれしくなるのかもしれません。

子どもたちが大好きだった“参加したくなる絵本”の魅力

保育園や小学校で読み聞かせをしていた頃、かがくいひろしさんの絵本は子どもたちにとても人気でした。
読み始めるとすぐに「えーっ!」「なんで!?」と声があがり、ページをめくるたびに反応がいろいろな方向から返ってきました。

読み終わると、今度は子どもたち自身が「次はわたしが読む!」「ぼくも読んでみたい!」と、誰かに読んであげたくなるのです。
物語のユーモアに“参加したくなる気持ち”がくすぐられるのでしょう。

この楽しさは、実は大人にも共通しています。
思わずつっこみたくなる展開、予想外の方向に転がるストーリー。
長い人生を歩んできた方ほど、この“計算できないおもしろさ”に心が軽くなるような気がします。

高齢の方への贈り物としてぴったりな理由

年齢を重ねると、「呼ばれる」機会が少しずつ減っていきます。
忙しさに追われていた頃よりも、人とのやりとりが落ち着いてくるからかもしれません。
でも、物語の中の「そこのあなた」は、誰が読んでいてもちゃんとこちらに向かって呼びかけてくれます。

その、たった一言がうれしいのです。

「はいはい、今いきますよ」と返したくなるような、くすっと笑ってしまうような、そんな、心の温度が1度上がるような時間が生まれます。

大げさなメッセージではありません。
でも、絵本を開くたびに小さな楽しみが増えるというのは、贈り物としてとても素敵なことではないでしょうか。

ひとりで読んでも、家族と読んでも、もしかしたら介護の現場でも笑いが連鎖するような一冊。
ゆるやかで、たのしくて、心をふっと軽くしてくれる力があります。

だからこそ、この絵本を贈るときにそっと伝えたいのは、

「あなたと一緒に笑い合いたい」
「あなたの毎日に、小さな楽しみがひとつ増えますように」

という、とてもシンプルで温かい気持ちです。

絵本紹介

『まくらのせんにん そこのあなたの巻』

作:かがくいひろし
出版社:佼成出版社

かがくいひろしさんの絵本の中でも、ひときわ“読者を巻き込む”仕掛けが楽しい一冊です。
まくらのせんにんが繰り広げる、まさかの展開、ありえない出来事の連続。その度に「えっ?」「どうなるの?」と、自然と読み手が物語に参加してしまいます。

かがくいさん特有の、丸みのある造形やテンポの良い展開、リズムのある言葉づかいは、読み進めるほど心が軽くなる不思議な魅力があります。とぼけた表情の登場人物たちは、見ているだけで笑いがこぼれ、その“ほどよいゆるさ”が、年齢を問わず心を和ませてくれます。

ページをめくるたびに起きる意外な展開は、小さな子どもだけでなく、大人にとっても新鮮で愉快。
「そこのあなた」と絵本の中から声をかけられる心地よさは、一冊を通して体験する“かがくいワールド”の大きな魅力です。

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高齢者ギフトとしておすすめする理由

参加型のユーモアが、心を明るくする

「そこのあなた」と呼びかけられた瞬間、読む人みんなが“主役”になります。
大げさではなく、自然と笑いが生まれるこの仕掛けは、高齢の方にとって気持ちが軽くなる大切な要素です。
絵本を開くだけで、ちょっとした会話のきっかけや、毎日の張り合いが生まれます。

一緒に読むと、世代を超えて笑い合える

子どもたちが大笑いして読みたがる絵本は、大人と共有するとまた違う面白さが見えてきます。
特に高齢者施設やご家庭で、親子・祖父母と孫など、世代をまたいだ交流の場でも大活躍。
「昔はこんな遊びをしたよ」など、自然な思い出話にもつながります。

難しい説明が不要で、誰でも楽しめる

文章は短く、絵が状況をたっぷり語ってくれるため、
文字を追うのが少し疲れる日でも、気負わず楽しめます。
ユーモアのテンポも心地よく、読む側も聞く側もリズムに乗りやすい構成です。

心の緊張をほどく、“ゆるさ”がある

日常の小さな不安や孤独をふっと忘れさせてくれる、あたたかい笑い。
かがくいさんの絵本が持つやさしいユーモアは、気持ちが沈みがちなときにもそっと寄り添います。
贈り物にすると、「なにこれ、おもしろいね」とほほえみが返ってくるような一冊です。

贈り方のヒント

— 手紙やカードに添えられる “ひとことメッセージ” —

「この絵本、あなたの笑顔を思い浮かべながら選びました。」

自然な一言で、押しつけず、気持ちだけがやさしく届きます。

「疲れた日にも、ページを開けばちょっと笑えますように。」

相手を労わりつつ、絵本の気軽さが伝わるメッセージ。

●「“そこのあなた”と呼ばれたら、ぜひ心の中で返事してみてくださいね。」

くすっと笑える、遊び心のあるひとこと。

●「あなたの日々に、小さな楽しみがひとつ増えますように。」

年齢を問わず贈れる、やさしい定番メッセージ。

まとめ

『まくらのせんにん そこのあなたの巻』は、年齢に関係なく“思わず笑ってしまう力”を持った絵本です。
予想外の展開に引き込まれたり、「そこのあなた」と呼びかけられてつい反応してしまったり、読む人が自然と物語に参加できる心地よさがあります。

高齢の方にとって、笑うきっかけや、だれかと同じ時間を共有する楽しさは、生活の中で何よりの活力になります。この絵本は、難しい説明や構えた姿勢がいらず、ただページをめくるだけで場がふんわりとあたたまり、贈った人と受け取った人をやさしくつないでくれます。

「最近笑っていないかな」
「少し元気を届けたいな」
そんな気持ちで手渡したくなる一冊です。
ユーモアと温かさに満ちたこの絵本が、大切な人の毎日に、ちょっとした明るさを添えてくれますように。

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