『バムとケロのおかいもの』

娘と夢中になった、絵の中の小さな宝物

『バムとケロのおかいもの』は、鳥取に住んでいた頃、娘の幼稚園で「かわいいね」と話題になっていた一冊でした。娘と一緒にページを開いた瞬間の、胸の奥がふっと温かくなるような気持ちは、今でもはっきり覚えています。
ページのすみずみにまで小さな物語が散りばめられていて、「ここにもあった!」「あ、見つけた!」という声が自然に重なり、親子で絵本の世界に入り込んでいくようでした。
絵本を“読む”というよりも、ひとつの街を散歩しながら、色んな場所をのぞき込んで歩くような感覚。ページをめくるたびに新しい発見があり、そのたびに笑顔が生まれ、親子で共有する時間がどんどん深まっていきました。

ケロちゃんの「ほしい!」に共感する時間

ケロちゃんの仕草や表情はどれも愛らしく、気づけば娘より私が先に夢中になっている瞬間もありました。細かいしぐさひとつまで丁寧に描かれていて、「かわいい」という言葉だけでは足りないほど魅力が詰まっています。
おかいものの場面では、「あれもほしい」「これも気になる」というケロちゃんの素直な気持ちがあふれていて、その無邪気さに子どもも大人もつい笑ってしまうはず。
買い物に行くと、気づけば予定外のものがカゴに入っている……そんな日常の小さな“あるある”に重なって、読みながら心がほどけていきます。
共感のポイントがたくさんあるからこそ、読み合いながら自然に表情がゆるみ、親子で気持ちが通い合うあたたかい時間が広がっていくのだと思います。

小さな気づきが「子育てのヒント」になる

この絵本の魅力は、かわいらしい世界観だけではありません。細かく描き込まれた絵の中に、子どもが感じ取る「好き」や「心が動く瞬間」があちこちに散らばっています。
「気になる」「ほしい」「かわいい」というまっすぐな気持ちを、そのまま肯定できる絵本なのです。
読み合いの中で、子どもはお気に入りのものを見つけたり、登場人物に気持ちを寄せたりしながら、世界を少しずつ広げていきます。
無理に質問したり、感想を求めたりしなくても、絵をながめる時間そのものが子どもの心をゆっくり育ててくれる。
大人がそのペースに寄り添うことで、忙しい毎日の中でも “子どもの見ている世界を一緒に味わう” という大切なひとときを取り戻せる気がします。
絵本が教えてくれるのは、特別なことをしなくても、親子の時間はこんなにも豊かになるということ。そのことをそっと思い出させてくれる一冊です。

絵本紹介

『バムとケロのおかいもの』

作・絵:島田ゆか/出版社:文溪堂

『バムとケロのおかいもの』は、島田ゆかさんの世界が細部までいきいきと広がる、シリーズの中でもとりわけ魅力に満ちた一冊です。バムとケロちゃんが〈おかいものの日〉を迎える朝から物語がはじまり、ページのすみずみまで描かれた世界が、読む人をあたたかく迎え入れてくれます。

緻密に描かれた背景には、雑貨や食べ物、小さな生きものたちがさりげなく息づいていて、どのページにも“物語の余白”が隠れています。視線を動かすたびに新しい発見があり、絵を眺める楽しさが物語そのものを豊かにしていきます。

バムの落ち着いた存在感と、ケロちゃんのまっすぐで愛らしい反応。その対比が、読み手の心を自然にほぐし、「こんな気持ち、あるよね」と微笑みを誘います。子どもにとってはワクワクの世界、大人にとっては日常の中にある小さな幸せを思い出させてくれるような世界です。

読み返すたびに「あれ?ここにも何かある」と気づく遊び心が散りばめられているため、ページを開くたびに新しい旅がはじまります。親子で一緒にページをのぞき込みながら小さな物語を見つけていく、その時間そのものが宝物になる絵本です。

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おすすめの理由

絵のすみずみまで、物語が息づいている

ページの端々に、小さな出来事や発見が散りばめられていて、読むたびに新しい楽しさに出会えます。物語を追うだけでなく、絵をじっくり眺め、見つけるよろこびを味わえる一冊です。

親子で「わかるね」と笑い合える場面が多い

ケロちゃんのおかいものの様子には、子どもも大人も共感できる瞬間がたくさんあります。気持ちを重ねながら読むことで、自然と笑顔や会話が生まれ、読み合いの時間がやわらかく広がります。

子どもの「好き」を、そのまま受けとめられる

「かわいい」「気になる」「ほしい」という素直な気持ちに寄り添ってくれる物語です。子どもの感性や好奇心を評価せず、ただ受けとめることができるところが、この絵本の魅力です。

大人も引き込まれる、細やかな世界観

しぐさや背景の描写がとても丁寧で、ただかわいいだけでは終わりません。大人もページをめくる手が止まらず、親子それぞれの視点で楽しめる奥行きがあります。

読み返すたびに、思い出が重なっていく

発見型の絵本だからこそ、同じページでも毎回ちがうところに目がとまります。「前は気づかなかったね」という積み重ねが、親子の特別な読み合いの記憶になっていきます。

ゆっくり味わうことで、世界に入り込める

絵の中の小さな物語や、ケロちゃんの表情に目を向けながら読むことで、説明をしなくても子どもは自分のリズムで物語に入り込んでいきます。静かで穏やかな共有の時間が生まれる絵本です。

まとめ

『バムとケロのおかいもの』は、かわいらしい世界観に満ちているだけでなく、親子の会話や笑顔を自然に引き出してくれる絵本です。
ページのすみずみにひそむ小さな物語や、ケロちゃんの素直な気持ちが、忙しい日々の中で忘れがちな「子どもの世界に寄り添うこと」を思い出させてくれます。
一緒に読み進める時間は、宝探しのようなわくわくに満ち、同時に子どもの感性をそっと育てる大切な瞬間にもつながります。
読むたびに新しい発見があり、親子の思い出が積み重なっていく。そんな豊かな読み合いを生み出す一冊です。
何気ない一日がやさしく彩られ、子どもとの時間が少し特別に感じられるようになる、そんなあたたかな絵本です。

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