『十二支のお節料理』

サイン本を開くたびによみがえる、あの日の空気

この絵本を開くと、まず目に入るのが川端誠さんのサイン。
2019年、上野の森親子ブックフェスタの講演会でいただいた大切な一冊です。
会場には絵本好きの親子や教育関係の方が集まり、笑い声や拍手があふれ、“絵本って、こんなに人を元気にするんだ” と感じた時間でした。

講演会の帰り道、会場の余韻が残るまま本を抱えて帰ったこと。
翌日、小学校の図書室に 川端誠コーナー を作り、子どもたちが「この人の本、おもしろいね」と言いながら手に取ってくれたこと。
そんな一つひとつの記憶が、この絵本を開くたびにそっとよみがえります。

ページの中に広がるのは、お正月の食卓を囲むようなあたたかさ。
御節料理をめぐる十二支たちのやりとりはユーモアたっぷりで、昔から知っている日本の行事が、“新しい楽しみ方” で描かれています。

お正月の“静けさ”と“特別感”を思い出させてくれる

年末になると、町の空気が少しずつ静かになっていきます。
昔はスーパーも商店街も閉まり、子どもの頃の私は「退屈だなあ」「でも、この感じがなんか特別だなあ」と不思議に思っていました。

退屈だからこそ、普段しないことをしてみたり、お節料理つくりを手伝ったり、家族と一緒に長い時間を過ごしたり。
あれはあれで、ゆっくりと“季節が巡っていく”のを感じられる豊かな時間でした。

この絵本には、そんな 日本のお正月の“間”や“余白”の感覚 が見事に息づいています。
お節料理の華やかさだけでなく、そこに向かう準備やワクワク感、ちょっとした遊び心まで描かれていて、眺めていると自然と心がほぐれていきます。

そして何より、川端誠さんらしいユーモアと筆の勢い。
十二支それぞれの表情が見事で、“一年を締めくくる特別な時間” にふさわしい華やかな世界観が広がっています。

十二支をめぐる“物語のある食卓”が、私たちの一年をつないでくれる

干支は、年ごとに違う表情をもって私たちの暮らしに寄り添います。
干支にちなんだものが店先に増えたり、年賀状のモチーフになったり、なんとなくその年の象徴として身近に感じられるものです。

この絵本の十二支たちは、ただ動物として登場するのではなく、それぞれの性格が「お節料理」と結びついて描かれている ため、“食卓そのものが物語になるような楽しさ” を与えてくれます。

読み終えると、
「今年はどんな一年にしたいかな」
「どんなものを大切にして過ごしたいかな」
と、自分の一年をそっと見つめたくなる。
そんな静かな余韻が残る一冊です。

絵本紹介

『十二支のお節料理』

作:川端 誠
出版社:BL出版

『十二支の御お節料理』は、川端誠さん特有の 大胆な構図と細やかな描線 が光る、眼福の一冊です。
ページを開いた瞬間から、読者は十二支たちが過ごす「ちょっと不思議で、どこか懐かしい」世界へと誘われます。

絵本の舞台となるのはお節料理の準備が進む台所。
けれど、描かれているのは典型的なお正月風景ではなく、十二支それぞれの個性が“食”をめぐって自由に動きまわる、にぎやかでユーモラスな空間 です。
細やかに描き込まれた料理の質感、器の佇まい、動物たちの表情。どれもが眺めれば眺めるほど味わい深く、ページをめくる手が自然とゆっくりになります。

川端さんの絵の魅力は、“伝統的な題材でありながら、決して堅苦しくない” ところにあります。
いきいきと動く十二支たちは、まるで料理番組の裏側をのぞき見しているかのような臨場感で描かれ、にぎやかで温かな「食卓文化」の匂いを感じさせてくれます。

お正月だけでなく、日常の中でふと開いても、その世界観が心をぱっと明るくしてくれるような、そんな力をもった絵本です。

また、ページごとに視線の誘導が巧みに仕組まれており、大きく描かれた料理や十二支の動きによって、“読む”というより“眺めて味わう”タイプの絵本 といえます。
大人は細部の美しさを、子どもは自由なやりとりの楽しさを感じ取れるため、世代を問わず手元において楽しめる一冊です。

絵本を閉じた後にふと残るのは、「季節の行事って、暮らしを彩るためにあるんだな」というやわらかな余韻。

十二支という古くからの文化を、現代の感覚で心地よく楽しませてくれる作品 として、長く愛され続ける理由を感じさせてくれます。

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セレクトショップにおすすめしたい理由

食文化 × アートの「世界観」が棚を豊かにする

『十二支のお節料理』は、十二支と食文化という昔ながらの題材を扱いながら、川端誠さん独自の大胆で洗練されたイラストレーションによって、伝統を“今”の感覚で楽しむ世界観 が構築されています。

そのため、
・和雑貨
・器
・食にまつわるアイテム
・季節のクラフト
などを扱うお店では、まるで一点のアート作品のように棚を引き締めてくれます。
絵本自体が視覚的なアクセントとなり、空間に“物語の温度”が生まれます。

季節を問わず置ける「文化の本」になる

お節がテーマでありながら、物語は「お正月」だけではなく、“食をつくるよろこび” “暮らしに手をかける楽しさ” があります。

そのため季節限定ではなく、
・食卓のシーンを紹介したい時
・丁寧な暮らしをテーマにした棚
・日本文化や民話のコーナー
など、年間を通して並べることができます。

「伝統」を押しつけるのではなく、暮らしの中の遊び心やユーモアとして再提示してくれる絵本 なので、お店の雰囲気をほどよく柔らかくしてくれるのも魅力です。


語りたくなる絵本”で、お客さまの滞在時間が伸びる

この絵本は細部がとても魅力的です。十二支の表情、料理の描き込み、器の色づかい。
ひとつひとつに物語が宿っていて、ページを開いたお客さまが自然と店員さんに話しかけたくなるような力があります。

たとえば
「この器、お店の商品と雰囲気が似てるね」
「来年の干支はこれかぁ」
など、会話が生まれやすい絵本です。

滞在時間がのびる → 世界観を味わってもらえる → 購買につながる
という、セレクトショップならではの循環を自然に生む1冊です。

ギフトとしても“物語を添えられる”

十二支という馴染み深いテーマは、家族・友人・日本文化に興味のある外国の方など、贈る相手を選びません。

さらに、
「新しい一年を迎える気持ち」
「暮らしにひとさじの遊び心を」
といった“物語のメッセージ”を添えて贈れるため、ギフトコーナーでも映える絵本です。

まとめ

『十二支のお節料理』は、昔ながらの十二支や食文化を、川端誠さんならではのユーモアと美意識で再構築した一冊です。伝統をそのまま語るのではなく、“あそび心”と“絵の力”で軽やかに描き直しているからこそ、世代を問わず手に取りやすく、空間に自然と溶け込みます。

店頭に置くと、絵本が一枚のアートポスターのように存在感を放ちつつも、お客さまの想像をそっと広げてくれます。日本の文化を気負わず楽しめる本として、雑貨・器・食まわりのアイテムともよく調和し、「暮らしを楽しむ」というお店のメッセージをやさしく後押しします。

ページを開けば、十二支たちの生き生きとした表情や、料理の質感、道具の描き込みなど、どれも眺めているだけで豊かな世界が立ち上がってくるようです。
季節に縛られず、長く棚に置ける“世界観のある絵本”として、セレクトショップにおすすめしたい一冊です。

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