『オーケストラをつくろう』

声が集まり、空気が変わっていく時間を知っていた

小学校で勤めていた頃、音楽朝会がありました。
体育館に集まった子どもたちの声は、歌い始めはまだそろわず、天井の高い空間にそのまま広がっていきます。
少しずつ声が重なり、気づくと、場の空気そのものが変わっていく。
音楽には、そんな力があることを、体で感じていた時間でした。

あのとき起きていたことが、言葉になった

『オーケストラをつくろう』を読んだとき、その音楽朝会の風景が、ふとよみがえりました。

ひとりひとりの音が違っていても、それぞれが役割を持ち、同じ方向を向くことで、ひとつの音楽が生まれていく。
オーケストラの成り立ちが描かれる中で、あの場で起きていたことが、
少しずつ言葉として立ち上がってきたように感じました。

音楽は、役割が重なってできていく

この絵本に描かれているオーケストラは、楽器の演奏ができる人の中から、選ばれた人たちでつくられています。
それぞれが、自分の楽器と向き合い、音を磨いてきた人たちです。

けれど、ひとりひとりが上手に演奏できるだけでは、オーケストラの音楽にはなりません。
前に出る音、支える音、つなぐ音。
役割の違う音が重なり合って、はじめてひとつの響きが生まれていきます。

付属のCDで、楽器ごとの音を聴いてみると、そのことがよりはっきりと伝わってきます。
それぞれの音は個性的なのに、合わさったとき、別の表情を見せる。

音楽朝会で感じていた、声が重なり、空気が変わっていく感覚と重なりながら、オーケストラという世界が、少し身近に感じられる読書体験でした。

絵本紹介

文:メアリー・オールド
絵:エリーサ・パガネッリ
訳:いわじょう よしひと
出版社:BL出版

『オーケストラをつくろう』は、オーケストラがどのように編成され、どんな楽器がどんな役割を担っているのかを、絵とことばで丁寧に描いた絵本です。

指揮者、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器・・・。
それぞれの存在が、どんなふうに音楽を支えているのかが、ひとつひとつ示されていきます。

付属のCDでは、楽器ごとの音を実際に聴くことができ、ページで見た世界と、耳で感じる音がつながります。
読むだけで終わらず、音楽を立体的に感じられる構成になっています。

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おすすめの理由

ページを追うごとに、音の居場所が見えてくる

この絵本では、オーケストラの中で、さまざまな楽器がどんなふうに並び、関わっているのかが描かれていきます。

一つひとつを覚えなくても、ページをめくるうちに、音の立つ場所や支える場所が、少しずつ目に入ってくる。

全体を見渡す感覚が、自然と残ります。

音が、ひとつの方向に流れていく様子を眺められる

たくさんの音が集まっていても、ばらばらに響いているわけではありません。
同じ時間を共有し、同じ方向へ進んでいく様子が、静かに描かれています。

前に出る音も、後ろで支える音も、それぞれの位置で鳴っている。
その並びを、少し離れたところから眺めるような読み心地です。

耳を澄ます時間が、本の中に用意されている

付属のCDを再生すると、ページで見ていた楽器の音が、そのまま耳に届きます。

どの音が目立つか、どの音が残るかは、聴く人によって違うかもしれません。

読むことと聴くことが重なり、音楽に向き合う時間が、静かに広がっていきます。

まとめ

音楽は、ひとつの音だけではできていません。
それぞれ違う音が、同じ時間に鳴ることで、はじめて広がりを持ちます。

『オーケストラをつくろう』は、その重なりを、目で見て、耳で確かめることのできる絵本です。
ページを閉じたあと、どの音が心に残るかは、人それぞれ。

ひとつの音では味わえない広がりを、重なりの中で感じてみませんか。

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