「とっとことっとこ」から、歩き出す感じが伝わってくる
この絵本を開くと、見開きに大きく「とっとことっとこ」と書いてあります。
まだお話が始まる前なのに、「あ、歩くんだな」とすぐに伝わってきて、ここからとっとこが始まるんだな、と感じます。声に出して読むと、その言葉だけで足音が聞こえてくるようで、自然と気持ちが前に向いていきます。
おでかけの前に読みたくなる一冊
家を出る前や、これからお散歩に行くとき、こんな絵本を読んだら楽しそうだなと思いました。
「さあ行こう」と声をかける前に、絵本の中で先に歩き出してみる。準備の途中でも、少し落ち着いてからでも、読むタイミングを選ばず手に取れそうです。特別な読み方をしなくても、そのままページをめくるだけで、おでかけ前の時間になじんでくる感じがあります。
歩く生き物を見ながら、子どもたちの姿を思い浮かべる
絵本に出てくる生き物たちが歩く様子を見ていると、年齢の違う子どもたちの姿が重なります。
最初は機嫌よく歩いていても、現実では途中で止まったり、抱っこになったりすることもありますよね。絵本にはそこまでは描かれていませんが、そんな先の様子を思い浮かべながら読むのも楽しくて、大人も一緒にページを眺めています。
絵本紹介
作:まつい のりこ
出版社:童心社
この絵本には、ねこやあり、ぶた、かえるなど、さまざまな生き物が登場します。
みんな靴をはいて、「とっとこ とっとこ」と歩いています。ページが進むにつれて、歩く仲間が少しずつ増えていき、そのたびに画面の雰囲気も変わっていきます。
使われている言葉はとても少なく、くり返される音のリズムが印象に残ります。
絵ははっきりとした色づかいで、生き物の形や動き、靴の違いが分かりやすく描かれています。登場する生き物の大きさや種類の違いが、ページごとに自然に伝わってきます。
歩くという動きと、言葉のリズムが重なりながら進んでいく構成の絵本です。
眺めるだけでも、声に出して読んでも、それぞれのページに動きが感じられる一冊です。
おすすめの理由
おでかけ前に、さっと開ける
家を出る前や、お散歩に行く前。
「もう行くよ」「まだ?」となりやすい時間に、この絵本はちょうどいいなと思います。ページを開くと、絵本の中ではもう歩き始めていて、その流れのまま次の行動につながっていきます。長く読まなくても、一区切りつけやすいところも助かります。
きょうだいや年齢が違っても一緒に見やすい
出てくる生き物や言葉がシンプルなので、年齢が違っても同じページを見やすい絵本です。
上の子は生き物に目がいき、下の子は音や動きを楽しむ。見るところが違っても、一緒に同じ時間を過ごせるのがいいなと感じます。
声に出すと、子どもがまねしやすい
「とっとこ」という言葉は、声に出しやすく、子どももまねしやすい音です。
歩くまねをしたり、声を出してみたり。ページを見ながら、自然と体や声が動く場面が増えていきます。読み終わったあと、そのまま歩いて出かけたくなることもありそうです。
まとめ
「とっとことっとこ」という言葉だけで、もう歩き出した気持ちになる絵本です。
どこへ行くかは描かれていないのに、足が前に出る感じだけは、はっきり伝わってきます。
家を出る前や、これからおでかけというタイミングで開くと、絵本の中と現実の時間が、ゆるやかにつながるように感じます。
子どもが声や体で反応するのを見ながら、大人も一緒にページをめくる時間。
「さあ行こう」と言う前に、まず一度、この絵本の中をとっとこ歩いてみる。
そんな使い方も似合う一冊です。


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