『おさるのジョージ チョコレートこうじょうへいく』

「かわいい」が何度もこぼれた読み聞かせの時間

この絵本は、上の娘が何度も何度も「読んで」と持ってきた一冊でした。
ページをめくるたびに、ジョージの表情やしぐさを見て、嬉しそうに「かわいい」と声にします。チョコレート工場の中で、好奇心いっぱいに動き回るジョージ。その様子が、娘の目にはとても魅力的に映っていたようです。読むたびに同じ場面で笑ったり、指をさしたりしながら、楽しそうに見ていました。

チョコレートへの気持ちが、物語と重なっていく

物語の中で、ジョージはチョコレートを前にして、つい食べたくなってしまいます。
その気持ちが、娘自身の「食べたい」という思いと自然に重なっていたようで、読み終わると決まって「チョコレート食べたい」と言っていました。ジョージの気持ちを説明しなくても、見ているだけで伝わるところが、この絵本らしさだと感じます。

「ジョージのあれ」で通じる、親子の合言葉

その後、買い物に出かけたときのことです。
お店で少しおしゃれな形のチョコレートを見つけると、娘は「ジョージのあれ」と言いました。それだけで、どの場面を思い浮かべているのかが分かり、親子で気持ちが通じ合います。
物語が、絵本の中だけで終わらず、日常の中に残っていることを感じた瞬間でした。

最後のページで、お腹を押さえているジョージの表情。
わたしは、その顔を見るたびに、思わず笑ってしまいます。あの一枚があることで、このお話がやさしく心に残っています。

絵本紹介

『おさるのジョージ チョコレートこうじょうへいく』

作:H.A.レイ/マーガレット・レイ
出版社:岩波書店

この絵本は、ジョージがチョコレート工場を見学するところから始まります。
工場の中には、チョコレートを作るための大きな機械や、さまざまな工程が描かれ、ひとつの場所の中で次々と場面が移り変わっていきます。チョコレートが作られていく様子は、細かく説明されるのではなく、絵の流れの中で自然に示されています。

物語は、ジョージの視点に近い形で進みます。
目の前に現れるものを見て、動いて、関わっていく。その連続によって、工場という少し特別な場所が、子どもにも分かりやすく描かれています。言葉は最小限で、ジョージの行動や表情が、場面の意味を伝える役割を担っています。

また、工場内の描写は一方向ではなく、背景にも多くの情報が描き込まれています。
機械の配置、人の動き、チョコレートの形や色。ページを開くたびに、見る場所によって受け取る内容が変わる構成になっており、絵そのものを追っていく楽しさがあります。

物語の終わり方も、出来事を大きくまとめるというより、ジョージらしさがそのまま残る形で描かれています。
最初から最後まで、好奇心に動かされるジョージの姿を通して、ひとつの体験をたどるような絵本です。

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おすすめの理由

ジョージの動きが、そのままページを引っぱっていく

ジョージは、立ち止まらずに進みます。気になったら近づいて、手を出して、次の場面へ。
その流れが続くので、読んでいる側も自然とページをめくることになります。
物語を追うというより、ジョージのあとをついていく感覚です。

工場の中に、目が止まるところがたくさんある

チョコレート工場の中は、機械や人、チョコレートでいっぱいです。
一度に全部は見られず、「ここ」「あっち」と、目が動きます。
同じページでも、見る場所が毎回少しずつ違ってきます。

最後のページのジョージの表情が、物語をしめくくる

物語の最後に描かれているジョージは、それまでの出来事が体に残っているような顔をしています。
チョコレート工場での出来事をぜんぶ経験したあとだからこその、少し疲れたような、でもどこか満足そうな表情です。

ページを閉じたとき、その顔が自然と心に残ります。
長いお話だった、というより、ジョージと一緒に一日を過ごした感じが残る終わり方です。

まとめ

チョコレート工場という場所を、ジョージと一緒に歩いていくようなお話です。

次は何があるんだろう、とページをめくりながら、ジョージの動きや表情を追っていく時間が続きます。
にぎやかな場面も多いのに、読み終えると、ひとつの出来事を一緒に体験したような感覚が残ります。

子どもと並んでページを開き、同じ絵を見て、同じところで笑ったり、立ち止まったりする。
そんな時間が、自然と生まれる一冊です。

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