いつもの手遊びが、絵本の世界につながった
乳児クラスでは定番の♪いっぽんばし こちょこちょ。毎日のように遊んでいるからこそ、この絵本を開いた瞬間、「あ、知ってる」という空気が自然と広がりました。普段の遊びがそのまま絵本の中に現れることで、子どもたちは戸惑うことなく、安心した表情でページを見つめていました。
「ちがい」に気づくおもしろさ
絵本の最後には、歌詞と遊び方が紹介されています。そこで初めて、自分が歌っていたものと少し違うことに気づきました。住む地域や世代によって、同じわらべうたでも少しずつ違う。そのこと自体が面白く、「これもありなんだな」と感じられたのが印象的でした。正解が一つではない遊びの奥深さを、改めて感じるきっかけになりました。
繰り返しが生む、安心と笑顔
お話はとてもシンプルで、同じ流れが繰り返されます。だからこそ安心して絵本の世界に身を委ねていました。登場する動物たちの表情もやわらかく、見ているだけでこちらの気持ちまでほぐれてきます。いつもの手遊びと重なり合いながら、自然と笑顔が生まれる、そんな読み合いの時間でした。
絵本紹介
『いっぽんばし こちょこちょ』
作:とよた かずひこ
出版社:世界文化社
はじめは、どこかで聞いたことのある響き。
ページをひらくと、その親しみやすさに、自然と肩の力が抜けます。
物語はむずかしい展開を見せません。けれど、次はどうなるのだろう、と静かに気持ちが前へ進んでいきます。登場する動物たちは、どれも表情がやさしく、少しとぼけたような愛らしさがあります。見ているだけで、口元がゆるむような雰囲気です。
声に出しても、出さなくてもいい。
手を動かしても、ただ眺めていてもいい。
いろいろな読み方を楽しんでもらえると思います。
おすすめの理由
子どもの様子をそのまま受け止められる
ページを見つめる顔、手を伸ばすしぐさ、声にならない反応。そうした小さな変化を一緒に感じていけます。絵本が前に出すぎず、親子の間にちょうどよく収まります。
ふれあいのきっかけが自然に生まれる
物語の入り口にあるやわらかな雰囲気が、声や手の動き、笑顔へとつながっていきます。絵本を閉じたあとも、その余韻がそのまま親子のやりとりに残ります。
いっしょに、わらべうたあそびへつながるところ
絵本のはじまりにある、あの親しみのあるフレーズ。
それだけで、声に出したくなったり、手を動かしたくなったりします。
「さあ遊ぼう」と構えなくても、ページをきっかけに、いつものわらべうたがそっと思い出されるようなつくりです。
まとめ
手遊びの記憶と、絵本の世界が、無理なくつながっている一冊です。
歌ってもいいし、眺めるだけでもいい。
そのときの親子の距離や気分に合わせて、自然な関わり方ができます。
絵本をひらいたあと、ふっと歌が口に浮かんだり、手がそっと動いたり。
そんな小さな流れが、いつもの時間を少しだけやわらかくしてくれます。
『いっぽんばし こちょこちょ』は、遊びと絵本のあいだを、やさしくつないでくれる存在です。


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